デジタル印刷とオフセット印刷の違いとは?
公開日:2018/08/31
更新日:2020/05/01
商業用印刷を行う場合、デジタル印刷とオフセット印刷の2種類の印刷方法から選択することができます。どちらも同じような印刷方法ではないのかと思いがちですが、印刷の目的や印刷量、コストなどが異なるため、それぞれの印刷方法のメリット・デメリットを良く理解して選ぶ必要があります。
今回は、主にデジタル印刷とオフセット印刷の違いに焦点を合わせて説明していきます。
デジタル印刷は多彩な表現が可能
デジタル印刷の最大の特徴は、印刷版がないという点です。印刷版とは、その名のとおり、印刷したい内容を転写するために必要な金属などの版のことで、その版を作ることで同じ内容の印刷を何枚も刷ることが可能になります。
印刷版を1度作ると、1枚1枚印刷する内容を変更することができないため、単一の内容を印刷するのみです。また、間違いがあると、1から版を作りなおす必要もでてきます。
印刷版がないデジタル印刷では、印刷物の内容を1部ずつ変更しながら印刷ができるため、多彩な表現が可能です。例えば、店舗開店セールのお知らせ、キャンペーンの内容、特売商品の紹介など、印刷内容が大きく異なっていても、デジタル印刷であればまったく問題ありません。
印刷版がないメリットは、他にもあります。印刷版がある場合、まず印刷版の制作を行わなければならず、当然印刷開始までの時間がかかってしまいます。加えて仮に印刷版に問題があれば、印刷版をもう一度制作し、印刷をやり直す可能性がありますが、デジタル印刷なら無版であるため印刷内容の修正は非常に簡単です。つまり印刷版がないことで、印刷完了までのスピードが非常に早くなり、且つ少量の印刷であればコストをかなり削減することも可能です。
またデジタル印刷の印刷機は、オフセット印刷機よりも扱いやすいため、従業員は深い知識がなくても扱えるでしょう。さらに、印刷機自体がオフセット印刷機よりも小さいため、設置場所を選ばず、さまざまなコスト削減が可能になります。
ここまでデジタル印刷のメリットを考えてきましたが、デメリットも存在しています。デジタル印刷は4色を使用して色を作り出しており、色調や柔軟性の面でオフセット印刷よりも劣ります。さらに、インクが紙に浸透しているわけではないため、紙に折れ目がある場合、インクに割れ目がでる場合があります。
加えて、一般的にはデジタル印刷に対応している紙サイズはA3までであるため、オフセット印刷時に選択できる紙サイズほど自由度がありません。最大のデメリットとしては、印刷版がないため少量の印刷の際はコストが安くなりますが、印刷量が増えた場合、1枚あたりのコストはオフセット印刷の方が安く仕上がる場合があります。
では引き続きオフセット印刷についてみていきましょう。
オフセット印刷はもっともポピュラーな方法
オフセット印刷は、書籍や、美術、商業印刷など非常に幅広い分野で使用されている印刷方式であり、世界中で採用されています。紙の素材やサイズの選択肢は多く、精密な色合わせに発色などイメージ通りのものを作り出せるため、商業印刷であればオフセット印刷を選べば、基本的に間違いはないでしょう。
印刷方法は、デジタル印刷とは異なり印刷版が必要になります。しかし印刷版を利用して直接紙にインクを付着していくわけではなく、印刷版のインクを最初にブランケットというゴム製や樹脂製の転写ローラーに付けていきます。続いてブランケットに付着しているインクを印刷される紙などに付着させます。
印刷版と紙が直接接触することがないため、オフセット印刷という名前になりました。オフセット印刷の印刷版には、凸版印刷、凹版印刷、孔版印刷、平版印刷という4つのタイプがあり、最も一般的している方法が平版印刷というオフセット印刷方式です。
凸版印刷とは印鑑と同じように、印刷版には凹凸があり、凸部にインクを付けて転写していきます。凸部がゴム製であれば、印刷面に凹凸があるダンボールなどの印刷にも対応できます。
凹版印刷とは、印刷版の凹部にインクを入れてからブランケットに転写する方法です。印刷版への負担が1番少ないため、耐久性に優れている印刷方法と言えるでしょう。また凹部に溜めるインクの量を調節できるため、インクの厚み多くするなど、インク量を調整できる点も優れている方法です。しかし凹版印刷の印刷版のコストは、凸版印刷の印刷版より高くなります。
孔版印刷とは、印刷版に穴が空いており、穴からインクが出てきてブランケットに転写する印刷方法です。インク量を調節しやすいため、紙だけでなくプラスチックや布にも印刷できるようになります。インク量を多めに設定するなら、通常上手く印刷できないような布などにも鮮やかなプリントができるようになります。
平版印刷は、印刷版に凹凸がわずかしかないアルミ製の印刷版を利用して印刷を行ないます。平板印刷の印刷版には親水層と親油層が科学反応によって作られるため、親水層に水を付着させ、親油層にはインクを付着させることができます。印刷版に付着したインクのみをブランケットに転写することで印刷を行えるようになります。
オフセット印刷の特徴は、色の表現力が非常に高く、印刷される材質を選ばず、いつでも質の高い印刷を行えることです。デジタル印刷とオフセット印刷を並べて比較すると、やはりオフセット印刷のプリントの方が、色の再現性の面で非常に優れていることが分かるでしょう。
デメリットとしては、印刷版が必要なため、少量ロットの印刷の場合、1枚の印刷代にさらに版代がかかり、コストが高くなります。さらに、印刷版制作のための時間も必要になり準備期間が長くなります。少量ロットの印刷ではコストが高くなってしまうものの、大量ロットの印刷ではオフセット印刷の方が1枚の印刷コストは非常に低くなります。オフセット印刷では、印刷版完成までにコストや時間がかかるものの、一旦印刷版が完成してしまうと、その後のコストや時間はかけずに印刷できることも大きな特徴でしょう。
まとめ
デジタル印刷とオフセット印刷、それぞれの特徴や違いについて解説致しました。それぞれの印刷方法にはメリットとデメリットがあるため、希望している印刷物の量や質や納期に合わせて印刷方法を選べるでしょう。印刷物完成までの納期が短い場合、少量ロットでの印刷の場合、サンプルをすぐに欲しい場合などは、印刷に必要な時間やコスト面から、デジタル印刷の方が良いと言えます。
逆に納期までの時間に余裕がある場合、印刷物が大量である場合、色や質にこだわりたい場合、印刷する材質が様々である場合には、オフセット印刷の方が向いていると言えるでしょう。オフセット印刷では、印刷する量が増えれば増えるほど、コストが安くなるため、商業印刷ではほとんどのケースでオフセット印刷が採用されています。
印刷する目的によって、印刷方法を選ぶことがポイントになります。
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